GPSが存続の危機!? カーナビはどうなる?

10:19
昨日の朝、出かける準備をしていたら、TVから気になる話が聞こえた。「GPSが存続の危機」!? カーナビや携帯電話でおなじみのGPSは、正式名称グローバル・ポジショニング・システムといい、元々はアメリカが軍事用に打ち上げたGPS衛星を利用して、位置を知るシステム。地球の上空には約30個ほどのGPS衛星が周回していて、そのなかの4つの衛星の信号を受け取ることができれば、三角測量のように高低まで含めた位置を知ることができるわけだ。これが存続の危機となれば、カーナビや携帯電話の位置情報サービスだけではなく、船舶や航空機……あまりにも影響が大きすぎる。というわけで、ちょっと調べてみた。

このネタ元はアメリカの連邦議会行政監査機関(GAO)が発表したレポートだった。これによると「米空軍の不始末と過小投資は、GPSの停止につながる恐れがある」という。不始末とは、米空軍が開発を進めているGPS IIIA衛星の打ち上げの遅れ。開発スケジュール通りに打ち上げが行われなければ、現在のGPS衛星が耐用年数を超え、2010年には古い衛星から墜落し始めるというから、怖い話だ。そうなると、アメリカ政府が公約するGPSサービスのレベルを維持できなくなり、多くの人々、様々なビジネスに影響するばかりか、アメリカ政府の監視機能も低下してしまうのだから……

その影響の大きさを考えると、GPSの運用停止ということはないと思う。万が一、GPSが運用を停止したとしても、カーナビが無くなることはないと思う。ロシアが開発を進めているロシアのグローナスは、約20個の衛星が打ち上がっているというし、EUが進めているガリレオも進行状況が不透明ながら存在する。さすがに現在のカーナビをそのまま転用するというわけにはいかないだろうが、もしGPSが停止したら、他のシステムを利用したカーナビもあり得るだろう。ましてや、これだけグローバル化したアメリカ発の測位システムを、他国にとられるということは許さないはずだ。

問題は新しい衛星を打ち上げるための予算。危機感をあおっておいて、GPS使用への課金を確率しようという意図があるのかも?
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