MCM2011傾向と対策

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エムズライン・カーHi-Fi・ミーティング(MCM)2011も中部と関西が終了し、今年は関東(11月6日)と東北(11月13日)の残り2回。そこで、中部&関西のミーティングで気になったことと、その対策などを。残り2回のミーティングに参加しようと考えている方の参考になれば幸いです。
2008年にスタートしたマクロム&イートン・ミーティングがMCMに変わって今年で3回目。毎年、システムを少しずつグレードアップして出場している方も多数。そんな方々は、前年のアドバイスを反映して、着実にステップアップしており、うれしい限りです。

そんななか、今年気になったのは、高域が粗いクルマが少なからずあったことです。原因を探ってみると、どうもトゥイーターのクロスオーバーポイントを、トゥイーターの能力の限界よりも低い周波数に設定している例が多いようです。確かに、ダッシュボードよりも高い位置に設置したトゥイーターで低い周波数まで再生できれば、音場感や定位感を創り出すのに有利。また、2ウェイシステムの場合、ウーファーとの音のつながりを考えると、クロスポイントを低く設定したい気持ちは、わからないでもありません。ここ数年、カロッツェリアが掲げている「オープン&スムース」コンセプトも、同様の考え方に基づくものです。

その影響かどうかはわかりませんが、高域の粗さが気になるクルマのクロスオーバーポイントを尋ねてみると、明らかに低すぎ。高性能で低い周波数まで滑らかに再生できるトゥイーターなら、クロスオーバーポイントを低い周波数に設定しても問題はありませんが、再生能力の限界を超えた低い周波数をトゥイーターに流すと、簡単に歪んでしまいます。そのため、トゥイーターのレベルを上げられず音がこもっていたり、歪んだままでレベルを合わせているため、高域がきつくて聞きづらかったり…、というようなクルマが目立ったのだと思います。

トゥイーターに再生能力を超えた低い周波数を流しても、百害あって一利無し。まずは、トゥイーターがスムースな特性で透明感のある音を再生できる範囲を知り、そこにクロスオーバーポイントを設定する、それが重要です。そのクロスオーバーポイントで、ウーファーとのつながりが悪いのであれば、しかたありません。トゥイーターとウーファーの間の周波数を埋めるミッドレンジを追加して3ウェイ化するなどのシステムアップが必要かと思います。

僕が13cmウーファーを好んで使う理由もそこ。車載用で一般的な25mmクラスのトゥイーターと16〜17cmクラスのウーファーだと、どうしてもウーファーとトゥイーターのつながりが気になるものが多いように感じます。その点、口径の小さな13cmウーファーならより高い周波数までスムースに再生できる可能性が高いため、25mmクラスのトゥイーターともつながりやすくなります。もちろん3ウェイ化するのが理想ですが、大がかりな施工をしてまで…と考えると、クルマでは13cm2ウェイ・システムがベターと感じています。もちろん、16〜17cmクラスのウーファーに比べると低音再生に関しては不利ですが、サブウーファーをプラスすることを前提なら、まったく問題ありません。というような、個人的な意見はさておき、トゥイーターがハイクオリティな音で再生できる範囲を知ることは、高音質再生にとって重要なポイントです。

もうひとつ、MCM2011で高得点を獲得するポイントが低域の解像度です。わかりやすくいうと、ベースなどの低音楽器の音程が明確にわかるか。これによって、音楽のノリや躍動感、楽しさがまったく変わってきますし、中高域にも影響しますので、初期セッティング時は、低音楽器の音程にとくに注意して行うと、よりクオリティの高い音が得やすいと思いますし、最終的な微調整もやりやすくなるかと思います。そして、いちばん大事なことは、音楽をがんがん聴くこと。クルマの中で音楽を聴くだけではなく、ヘッドホンででもいいし、家でCDを聴く、ライヴに出かけるなど、とにかく音楽をたくさん聴くことで、自然にいい音が身についてきますので、音楽を聴きまくりましょう。

残り2回のMCM2011への出場を予定している方は、以上の点を踏まえて、再セッティングしてみてください。